四月八日はお釈迦様の誕生日です。この日は釈尊降誕会(しゃくそんこうたんえ)と申しますが、良く知られているのが、花まつりという行事です。
皆さんも、お寺の本堂にお祀りされたり、白い象の上に乗せた花御堂(はなみどう)の、天と地を指差すお釈迦様のご誕生仏に、花を飾ったり甘茶をかけてお参りされたことがあると思います。
甘茶をかけるという習慣は、お釈迦様がご誕生されたことを喜び、天から龍王が甘露の雨を降らせて祝福したとされていることから、そのように甘茶でお祝いするのです。
お釈迦様は、ルンビニー園という花園で、母のマーヤ夫人が花に右手を差し伸べられた時にご誕生されました。そして、すぐに七歩歩いて「天上天下 唯我独尊(てんじょうてんげ ゆいがどくそん)」天にも地にもただ我ひとり尊し、と唱えられたと言われています。
これは大変有名な話ですが、お釈迦様が言われた、ただ我ひとり尊しというのは決して自分が一番偉いとおっしゃったわけではありません。
この意味は私達一人一人の命は、かけがえのない尊いものであり、それぞれに与えられた大切なものであるということです。
その命をお互いが大切にしあい、生きていくことを願っているということなのです。
縁を頂いて生まれた命は平等であり、そのことを自覚することで、自分を大切にするのと同じように、人を大切にすることができるのです。まさに助け合いの精神を持って、お互いに支え合い、助け合いながら生きること、また生かされていることを考えなくてはいけません。
私達は「お誕生日おめでとう」と言われたら「ありがとう」と言います。祝福してくれる人にはもちろんのこと、全ての縁に感謝のありがとうなのです。 |