縁起が良いとか、縁起を担ぐという言葉をご存知だと思います。
物事が良い結果に結びつく予感であったり、前にも良い結果が出たりした時のことを思い出して、同じ行為を繰り返し行うことです。
験担ぎ(げんかつぎ)とも言いますが、よくスポーツ選手が行なっている、ルーティンもこれと同じです。
例えば、ラグビーの五郎丸選手が、キックの時に行う動作や、サッカー選手が試合の前に競技場に入る際に、踏み入れる足を、毎回同じ方の足から入るといったことです。
また、言葉にも同様の繋がりがあり、自分が声に出した言葉を自分に言い聞かせるように、「自分はできる、必ず勝つ」など自信を持たせることを言うのも同じようなことです。
何をするかは人によって様々ですが、良いイメージをもって行うことで、本当に見えない力を発揮することも実際にあるのです。
皆さんにお馴染みなのは、受験に勝つということに掛けて、受験の前にカツ丼を食べることでしょう。
このような縁起という言葉は、仏教の教えから来ています。
縁起は、縁より起こると書きますが、物事は全て縁という原因が関係しあうことで成り立ち、それによっての結果が起こるということです。
つまり、因果(いんが)のことで、物事の存在は因と縁によって成立するのです。
お釈迦様は、人の苦しみも同じように、苦の原因を無くせば、様々な苦しみから逃れることができると示されています。
善因善果(ぜんいんぜんか)は善行が善を生み出し、楽を与えます。
悪因悪果(あくいんあっか)は悪行が悪を生み、苦を生じさせているのです。
これは、どの形で自分に帰ってくるかはわかりませんが、全てが繋がっているということを知ることで、自分の行いにも気付くことができるでしょう。
はじめの方で言いました、験担ぎの験(げん)は、仏教の修行を積んだ効果という意味があります。
スポーツ選手の方が、験担ぎのルーティンをすることも、練習を重ねて努力した後の行為です。
何事も努力なくしては成り立たないわけですから、私達も物事に対して、地道にコツコツと修練して参りましょう。
周りの様々な縁に感謝して、良い結果を掴み取って下さい。
合掌 |