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常照山 日體寺(日体寺)京都清水坂
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HOME > 一言法話 > 菩提に転じるの巻 |
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菩提に転じる(ぼだいにてんじる)の巻 |
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今年も師走に入り、慌ただしい時期になりました。
ぼちぼちお正月の準備も始まります。
地域によってはお正月にお供えする鏡餅に、喜びが来るという意味の縁起物として干し柿を飾ります。
干し柿は渋柿から作られていますが、渋柿というのは、当然そのままでは食べられません。
渋を抜くためにまず皮をむいて吊るし、軒先きなどで何日も天日干しをすることで、ようやく甘くて美味しい干し柿になります。
私達も若い時は渋柿と同じようなものです。
外見は大人になっても、中身は渋があるような生き方をしていることが多いのではないでしょうか?
この渋は私達の煩悩を表します。
実は煩悩は自分の心から作り出しているものです。
歳を重ねていくごとに、煩悩を抑えることができるようになれば、人間的にも一皮二皮と剥けていきます。
干し柿でいうところの皮剥きの段階です。
そして、次に天日干しをします。
寒風にさらされながら、お日様の光にあたることで、甘味を増していきます。
天日干しは、色々な困難の中にも仏様の慈悲の光に見守られながら、日常の自身の行いによって、徳を積んでいる状態と言えます。
人はぬくぬくとしているよりも、困難に立ち向かうくらいの方が、強くなっていきます。
寒風の中で、次第に干し柿は小さくなりシワシワになって、表面が甘味成分で白くなってきます。
このように様々な過程を経て、ようやく甘い深みのあるものに仕上がるのです。
この干し柿と同じように、人は誰でも歳をとれば顔のシワも増えて、髪の毛も白くなっていきます。歳を重ねた時に、私達が徳を積む修行によって煩悩を払い、豊かな心を持っていることを仏様は願っておられるのです。
途中で腐ることなく、仏様の慈悲の光を浴びながら、今の生き方を正していくことが大切だということです。
渋柿を甘い干し柿にする。自分の心中にある煩悩を、喜びや豊かさである菩提に変えていく。
これが仏様の教えである「煩悩即菩提」菩提に転じるということなのです。 |
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